あるお母様から頂いた感想 ~ドゥーラケアについて~

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<産婦さんに教えてもらうこと。今の、ここで、生命力にゆだねる!>

20年以上前にイタリアの国営企業に就職して、月に何度もミラノやローマへ飛ぶような生活になってみて初めてメールを使いこなすようになった私ですが、当時はそれまでの生活に微塵も不便を感じていなかったので、最初のうちはインターネットの利便性が理解できず、ネットはまったく使っていませんでした。

 

その後のテクノロジーの加速ぶりはご覧の通り。何もかもがここまで便利な世の中になるなんて当時はまったく予想もしていませんでした。今では、ハタチまでネット知らずの環境で育つことができたことを心から有難く思うと同時に、社会人になってネットワークを広げていく時期にあわせてネットが私の人生に導入され、さまざまなことが可能になったことを振り返ると、タイミング的に信じられない程の恩恵だったように感じます。

 

もちろん小中学生の親として、子どもたちの日々の使用状況を巡って懸念するところも多いです。さまざまな懸念もされる今のネット社会ですが、それでも海外在住組には有難いことばかりです。例えば、私のようにドゥーラだと、妊娠中~出産~産後と長くお付き合いさせて頂いたご家族と、何年たってもどこにいても、ずっと繋がっていられることがとても有難いです。

 

最近も写真付きでこんな素敵なメッセージをロンドン在住の日本人ママ、おうかさんから頂きました。長文ですが、ご本人の気づきがとても尊くて、家族愛の成長を感じられる文面に私までとても嬉しくなりました。ご本人の了解を得てこちらでアップさせて頂きます。

 

おうか出産当日写真

<ひとつのチーム、お産は聖地>

 

『木村章鼓さまへ、

 

あらためまして、お産の時はどうもありがとうございました。今お産を振り返ると、あのお産の経験は、暖かいオレンジ色の光に包まれた、自分の両手の中にすっぽりと入るような感覚で思い出されます。

一人目をバースセンターで出産した後は、なぜか痛みをずっと鮮明に覚えていて、それがとてもひどくて、 病院の近くを通るたびに実際、お腹が痛んでいたくらいなのですが、今回は痛みの事は面白いくらいすっかり覚えていません。産後に読んだ雑誌に名古屋の吉村医院で出産した人のインタビューで、ここで産んだ人は次々と産みたくなると書いてあって、私も今回の出産以降同じように思っていたので、良い出産の経験は良い未来へと繋がるんだと思いました。そこであきこさんが、良い出産経験を増やすことが世界平和に繋がるとおっしゃっていたのが今もピンと響いています。

 

自分の側に絶対的な味方としてサポートしてくださる知識のあるドゥーラさんがいること。それだけでものすごく安心できたのですが、それは私の中でイギリスの医療をあまり信用できていないという事もあるのかもしれません。医療行為としてではなく人間としてのお産は本来どんなものなのだろう?という事をあきこさんのケアを通してあらためて考えられたのが本当に良かったです。

突き詰めて思うと、自分が今から産み出す赤ちゃんのことを、自分と同じように愛しいと思ってくれる人がもう一人傍らにいるということが、最大の安心に繋がったのだと思います。私がドゥーラさんにお願いしようと思ったのは、きっとそれだ。そして、その選択は大正解だった!と思います。

 

産後にあきこさんに自宅に来ていただいた時にずっと、カヤを抱っこしてくださって、 私の精神がすーっと安定したので、私たち夫婦以外にも新しい命を愛おしいと思ってくれる人が、他にもいるという事を知る事がこんなにも大切な事なのかと気付きました。

 

国立病院(NHS)の派遣助産師に出張してもらい、ドゥーラにも寄り添ってもらいながらホームバースできた事で、イギリスで同じ経験をした家族たちとつながる機会がたくさんできました。その人達の育児感や人生観から良い影響を受けつつ、より私らしい子育てができるようになってきたという感じです。夫婦の絆も産後はより強い絆になっていると良いのですが(笑)。家族の一体感は本当に増しました、一体感、強く感じています。3人だった家の中に人間が1人増えて、まだこんなに小さいのに存在感が大きく、調和がとれたという感じです。

 

あきこさんがよくおっしゃっていたイメージする事、これも今まで以上に意識するようになって、とっても楽にいられています。いろいろと教えて下さり本当にどうもありがとうございました。海外に住んでいるからか、自分の居場所、帰る場所という事を考えると、いつも不安定になっていたのですが、今回のお産を通してそのイメージがとても良い方向に大きく傾いた事もとても良かった事です。

 

あきこさんに来てもらって、命のこんなにすぐ側に寄り添うお仕事に本当に感動して、命のすぐ側のお仕事ができたらどんなに素晴らしいんだろうと思いました。教えて頂いた終末期に寄り添うpalliative doulaもどんなお仕事なのか、調べてみたところ、深く共感しました。ドゥーラは何も特別な言葉がいらないほど、誕生期そして終末期にとって自然な存在に私は思いました。出産の時だけではなく、人生のいろんな場面にそういう存在の人と過ごせたらなと思いました。

 

ドゥーラを知らない人に説明するのは本当に難しいです。産後、よく聞かれたのですが、どんな説明をしてもいつも相手にあまり伝わりませんでした。で、『「おうかちゃんっ!がんばれ!エイエイオー!」って出産中ずっと手をつないで、くじけそうな時も片時も離れずに側にいて応援してくれる人だよ』と説明するように変えたら、とたんに伝わり出しました。すいません。。。なかなか良い言葉がみつからず、とっても長文になってしまいました。

 

出産の日はあきこさんと写真を撮ってなかった。。。と思っていたら、撮ってくれてたんですね!嬉しいです!!!写真を見てあんなに早く、穏やかだったと思っていた出産もやっぱり壮絶だったんだなーと思いました。キアノは最初の方は赤ちゃん返り、新生児への嫉妬で大変でしたが、今ではすっかりお世話もしてくれて、自慢の弟をいろんな人に自慢して回っていまーす。ひと安心です。

 

私はマーケットのお仕事に戻る準備で初めて昨日、搾乳を試してみたのですが全くうまくいかず、ボトルを嫌がる子で、あらためておっぱいの神秘に感動しております。。。

 

最近の写真を送ります、成長したカヤを見てあげてください。寒くなってきたのでお体大切にお過ごし下さい。またお会いできるのを楽しみにしています!子どもたちを連れてまたいつか必ず遊びに行かせてください。 おうか』

 

 

 

元気そうな文面でホッとすると同時に、葛藤しながら搾乳している彼女の姿が思い浮かばれ、『今頃はおっぱい大丈夫かなぁ』と気がもんでしまいます。こうなると、もうおせっかいな親戚のおばちゃんレベルですよね。でもそれって実は、とってもすごいことだと思うのです。

私は外国でドゥーラとして女性をサポートさせて頂き、同時に、自分自身もたくさんの方々に日々支えられているという関係性の中で生かされています。さらにおまけで、世界中に愛おしい親戚家族がいっぱいできているんだ~!と想うと、ひたすらに有難い気持ちになります。

 

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<お産はいつも特別な聖地。ドゥーラはシャーマンかな?>

‘あきこさんに助けられました’、なんてお言葉を頂くと、いつもこそばゆくて「逆です~それは他でもない、この私の方です!」とひたすらに返すばかりです。先日も5人くらいお母さん方が集まり、子産み子育てのよもやま話をしていたのですが、「こんな風にママたちが集まると、ハッキリ言って言葉なんて要らない境地があるよね~。みんな同じように惨めな気持ちになったり、自分を責めたり、疲労で気を失いそうになったり。誰しも同じ道を通ってきている戦友だー!みたいな」と深い一体感と共に全員が深く頷き合いました。いつも感じることだけれど、つい先日だったので、今、鮮明にその瞬間の女性たちとのワンネスの感覚が残っています。

ドゥーラって、結局は地域のお母さんだから、どこまでいってもピアな関係なんですよね。お産という人類共通の記憶をベースに、女性同士が瞳を合わせる時に、お互いのエネルギーが根元的に交流しあって、私たちは究極的にひと繋がりの存在だと体感する。それがとても心地良くて、祈りのように尊くて、だからドゥーラを続けているんだろうなぁと思います。

 

まるでチベット仏教の砂絵曼陀羅のような私の短いドゥーラ人生。砂を使って地面に描く美しいパターンのように、新しい土地で新しい絵柄をつむぎ、夫の転勤を告げられたら、過去にこだわらずに一気にさぁ~っと手放して、次の土地へと旅立つ。行った先では休業したり、軌道に乗るのにフランスのように1年もかかる。でも、さまざまな意味でそれまでの成功や執着を断ち、自分の欲から自分を解放させるための修行&恩恵に満ちた経験でした。
そうそう、もうひとつ大事なことがありました。パリに来て最初の頃に産後ドゥーラで伺ったお宅は、お母さまが二人目を産んだばかりで産後の肥立ちがまだ心配される頃でした。上のお子さんも小さくて大変な時に、御主人は出張ばかりということで、乳腺炎になりかけていた彼女が私を呼んだのです。張ったおっぱいをゆるませる方法や、添い乳の姿勢、血流量をアップさせてくれるエクササイズ、足腰をあたためる食事&環境づくりなど、相手の質問に答えながらたっぷりおしゃべりをしました。その方とつい先日数カ月ぶりに会ったら、とても元気そうで、パリでのお友達をどんどん増やしながら駐在生活を満喫されていました。こんな表情をする女性だったんだ!と驚くほど瞳のキラキラ輝く彼女を抱きしめながら私までワクワクしてきました。

ドゥーラとして関わったお母さま方からメールや手紙をもらうことは究極の幸せだけれど、やっぱり実際に会ってハグできるのが最高です。成長して太くなった赤ちゃんの腕に触れながら、「すっかり元気そうで良かった!」と母子のぬくもりを感じられるのがドゥーラをしていて一番の報酬です。もちろん、すべての方々と直接逢えないからこそ、冒頭にも書いた通り、インターネットがその部分を着実に補ってくれてはいるのだけれど。。。

 

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<私の好きなこと。直接ハグして、お互いをライブで労うこと>

 

つれづれに書いているので、行きつ戻りつの内容ですが、とどのつまり今回のブログで伝えたかったことは、もしあなたに会いたい人がいて、でも直ぐには会えないなら、メールや電話で勇気を出してみてくださいということと、もし直接会えるなら、少しでも時間を創出して、10分でもいいからライブで会ってきてほしい、という2点なんだと思います。じかに交流するエネルギーは、メタモルフォースの源泉。想像をはるかに超えた力がありますよね。
引っ越しや人との別離は、インターネットの普及のおかげで、今やそれほどハードルの高いことではなくなってきているけれど、それでも逆に今のような時代こそ、実際に会って交流し合うことの価値は計り知れないものになったとひしひし感じます。

 

‘今のここ’を大切に、ますますこころとからだに優しいお産がこの世に増えていきますように。。。

 

最後にこちらでもこの夏の3回のお話会のお知らせを再度シェアさせて頂きます。7/12(木)、7/30(月)、8/7(火)のいずれかでメルマガをとってくださっている方々と実際にお目にかかることができたらとても嬉しいです。もしいらっしゃれる方は会場でぜひ声をかけて下さい。

 

【お産道場 お産の寄り添い「人として大切にされるお産とは」を考える】
日時2018年7月30日(月) 19:00~21:00 18:30開場 終了後22時までフリータイム
会場 NPO法人Umiのいえ  http://www.uminoie.org/
参加費 3500円+税  (お夜食におむすびをご用意しております。)
ゲスト 木村章鼓
お申し込みはこちら: https://coubic.com/uminoie/150119

【 世界に広がるドゥーラの輪〜ドゥーラからの国際便〜 】
日時 : 2018年 7月12日 (木曜日)
9:00より受付開始 終了12:00
場所: 都内
会費 : 4000円  (お茶&お菓子付き 先着 30名)
託児はありませんが、お子様連れ大歓迎です!
申し込み方法:
こちらまでメールをお願いします。
doulashipjapan(@)gmail.com
(@)を@に変えて送ってください。お申し込みをしてくださった方に詳しい場所、スケジュール、お支払い方法など送ります。ドゥーラシップジャパンhp
https://www.facebook.com/events/2144434235785374/permalink/2144439339118197/

【 慶應義塾大学 公開講座 <患者学> ゲスト講演 木村章鼓 】
日時 : 2018年 8月7日 (火曜日)
時間:18:00
場所: 慶應義塾大学 信濃町キャンパス考養舎
参加費 無料
申し込み不要

 

長い文章を最後までお読みくださりいつも有難うございます。

 

木村章鼓

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お産のシェアリングの多様性

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<母カフェのトモコさん宅から見えるエッフェル塔越しのモンマルトルの丘。絶景でおしゃべりもさらに弾む♪>

 

今回のブログは、お産体験のシェアリングの多様性についてです。抽象的な文章で、分かりにくい部分が多く申し訳ありません。というのも私自身も未熟で、自分でも丁寧に感じていきたいと日々考えているフィールドなので、どうしてもうまく言葉にまとまらないのです。感じているままに書きますが、不明瞭な点があったらお許しください。

 

自分自身のこれまで満たされなかった想いに気づいたり、過去と向き合えたりするということも含めて、お産体験を丁寧に振りかえることは、勇気のいることであると同時に、聴く側にとっても、そして話す側にとっても、大きな収穫を与えてくれるものです。女性たちが定期的に集まり、お相手のどんな話であっても、お互いを責めない、批判しない、尊重するという暗黙のルールを守った、いわゆる‘場’の整った状態では、究極的に相手も自分も‘ひとつ’。すべては‘ひとつ’、という感性が自然と引き出されていきます。そんな時空間で様々なケースのお産談に傾聴していくこと自体が特別な作用を全体にもたらします。

 

ただ、辛いお産だった方が出産体験談を一方的にシェアするとなると、あなたがもしもピアグループの主催者の場合、これから産むプレママにとって、恐怖体験を聴くことによって妊婦さんの不安感を増し、その影響が本番のお産に現れてしまうのでは?と主催者側特有の配慮が湧きあがってきませんか。

 

UKにいた頃、現地ママたちの集まるランチ会に参加したところ、あるイギリス人ママさんが自分のお産体験を長時間話しました。黙って自分の話を聞いてほしい、封じ込めておいた無念さや悲しさを周囲にぶちまけずにはおられない、そんな勢いを参加者はみな感じたことでしょう。自然に私の腕が伸びてしまって、彼女を抱きしめているうちに私まで涙がとめどもなく流れて、痛みを少しでも共感したいと思いました。後日、彼女からメールを頂き、とても癒されたと書かれていました。ただランチ会でしたから、他の方は食べ物もその後喉に通らず、空気が落ち着くまでに時間が相当かかったことを思えば、妊婦さんのいない席であって本当によかったと思います。こういう経験をすると、当然、聴き手(プレママさん)を想い、どういう形で会を開こうか、オーガナイザーとしては躊躇してしまうことがあって当然ですよね。

 

ところが前号でも紹介したポジティブバース(PBM)や、しあわせバース@パリにおいては、たとえ緊急帝王切開となり、産後も長時間母子別室だったようなケースでも、本人の捉え方次第でポジティブなお産に当てはまります。逆に、周囲から安産と言われた方でも、「あれはひどかった」、「傷ついた。。。」という体験をされた方もたくさんいます。そもそも、ネガティブな部分が微塵もない出産体験なんて存在しませんよね。しんどい部分があらかじめ織り込まれているからこそ、お産は実りある豊かな人生経験になる、そんな目線で語れる会だからこそ、その時のしんどさや、こころの傷をバネにした先輩ママからの生きた提言が妊婦さんの胸に響くのだと思います。

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<ドゥーラケアさせて頂いたママの赤ちゃんのつぶらな瞳がいとおしい~!>

「自分の体験が悲惨だったので、これまで何年もネガティブな気持ちしかお産に対してなかったけど、まわりや自分の子どもには、そして孫には、自分の味わった怖い体験だけではなく、しあわせなお産も実は世の中にたくさん存在するということを知って欲しい」と感じられたり、「辛かったけど、あの時の自分にはああいうお産がどうしても必要だったんだ」と腑に落ちたり、納得されたりする様子に、‘お産のふりかえり’はまるでマジックのようだと思う時があります。次元が変わると言ったらよいのでしょうか。

 

もちろんバイアスはあると思います。つまり、そもそも私のまわりにいらっしゃる女性たちは前向きな方々が多いというのはあるかもしれません。でも、参加者を思いやる場を設定した会やプライベートセッションでは、辛い体験談を初めて打ち明けて下さる当人にも、何かヒーリングのようなものが起こることが結構あるのです。

 

誰しも、日常から離れ、安心できるコミュニティーが自分にあったら、私たちは自分のことについて今感じていることや、これまでに感じてきたこと、抱いていた期待、絶望感、押し寄せる不安、希望について、よりありのままに話せますよね。それはたぶん、とても特別な機会だと思います。本人にとって、そんな特別な場でお産を振り返る時に生まれる感情だからこそ、自分にとって未知なものであったり、自然と癒しに満ちたものであったり、新たな気づきであったりするのかなぁと思います。

とはいえ、それも本当に人それぞれで、『私は何も感じなかった』と感じる方もいるのでしょうから、私が‘お産のふりかえり’について、こうしてブログで言葉にしてみるのはとても軽薄な気がしてしまいます。

でも、、、

 

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<螺旋階段フェチです。どこで撮ったかも忘れてしまいましたが見とれてしまいます~>

 

 

たぶん、私たちには誰しもまわりの喜びや幸せに共感したいという質が備わっているのでしょう。もちろん、お互いの悲しみや苦しみに対してだって、人として共感はできるのですが、本来、喜びやしあわせに共感するほうが、はるかに簡単で、もっとずっと大きなエネルギーをもらえると私たちの無意識は知っています。相手の喜びや、誠実さに対して非常に高い共鳴力を持っている私たちが、愛と思いやりに満ちた場で、パソコンの画面や電話を通じてではなく、目の前に座った相手の喜びのバイブレーションをじかに受け取る時、それは私たちがどんな立場におかれていても、大きな糧になります。

と、こんな書き方をすると、「よく周囲を妬ましく思う自分」を長年自覚してきたような方は、ひょっとして「そんな共感能力は自分にはない」と感じるかもしれません。でも、お産に限らず、何かについて、真剣にシェアするということはとてつもなく大きなエネルギーの交換です。お互いにとって、必要なエネルギーが交差したり混ざり合ったりして、最終的にはちゃんとおさまるべきところに沁み込んでいくのは、しっかり感じられるかと思います。

 

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<美しすぎるフィボナッチ係数に植物園でも遭遇。なぜこんなに完璧なのでしょう>

 

時には、お産でさまざまな体験をされた方、例えば赤ちゃんを死産で失ったママさんからの言葉が、妊婦さんのこころの滋養となることもあります。絶望の淵から這い上がってこられた方の培ってきた命への誠実さ、強さに触れ、妊婦さんは信じられないほどの力を頂くからです。普通に生活をしていたら決して出会うことのない試練を味わわれた方が会に参加して下さり、そのプロセスを周囲と分かち合う時、個を超えたエンパワメントが起こります。辛い体験があったからこそ、その方は誰よりも周囲のお母さん方の安産を願って日々語っているのだと肌で感じられます。

 

実は、私の子を取り上げて下さった助産師さんも、そうでした。15年前、一人目を身籠っていた私は、彼女から自らの死産による過去の壮絶な苦しみを聴き、一体どれほど妊婦として‘今この瞬間’を大事に生きることについて多くのことを学ばせて頂いたことでしょう。偶然にも二人目のお産を介助して下さった助産師さんにも死産の経験がおありでした。お二人とも素晴らしい先輩ママとして、惜しげもなくたくさんのことを授けて下さったのです。今の自分があるのは、天に召された彼女たちの赤ちゃんの導きだと思います。

 

 

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<2017に完成した「セーヌ・ミュージカル」と呼ばれるセガン島のコンサートホール周辺を息子と散策。設計は日本人建築家坂茂氏ですが、こちらも不思議な、でもどこか懐かしい形状>

 

細かい心配は日々尽きませんが、未来について不安でいっぱいだということは、今をそれだけ真剣に生きなさいというメッセージだと私はいつも思います。変えることのできない過去の一点や現状を憂えるよりも、本当の自分は、そこを乗り越えて、より心地よい自分になっていたいはず。だからこそ、特に妊婦さんは余計なところにあまりフォーカスし過ぎず、今この瞬間、喜びに満ちた自分になる!という一点から視点をずらさないでいて欲しいなぁと思います。

 

最後に、ちょっと変な書き方しますね。女性たちとシェアリングしていると、おしっこの話とか、うんちの話とか、それはもうなんでも出てくるんです。心身の緊張をほどいて、ゲラゲラ笑いながら、ぽろぽろ泣きながらお母さんたちが体験談をシェアし合っている時、私には地球レベルで‘お産’が笑っているなぁと感じるんです。‘お産’が完全に擬人化されているんです私の中では(笑)。ガイアとか、パチャママとか、マリアとか、観音とか、アルテミスとか、いろいろなイメージが次から次へと湧いてきますが、とにかく、‘個’を超越した大きな何かが、私たちを包み込み、その中で安全に他者と、そして、自分自身とコミュニケーションさせてくれているように感じます。

 

すみません、話が飛躍し過ぎました。ともかく、妊婦さん、特に初産の方にとって、実際に会って先輩ママさんの話を聞いたり、お産に向けての不安を聞いてもらえるピアな会に参加することは大切だと何度でも伝えたいです。

 

日本でも、お近くに助産師さんやドゥーラの導くグループがないか調べてみてはいかがでしょう。東京・横浜近辺であれば、Umiのいえ(http://www.uminoie.org/)をおすすめします。2018年7月30日(月)の夕方からUmiのいえで開催される「お産道場」で‘人として大切にされるお産とは’をテーマに私もゲストトークさせて頂くのですが、そのような時空間で、あたたかいお産のイメージを全身にプリンティングし合ってほしいなぁと思います。

 

イベントの詳細はこちらです。是非ぜひご参加ください。

 

【お産道場 お産の寄り添い「人として大切にされるお産とは」を考える】

日時2018730(月曜日) 19:0021:00 18:30開場 終了後22時までフリータイム 

会場 NPO法人Umiのいえ  http://www.uminoie.org/
参加費 3500+税  (お夜食におむすびをご用意しております。)
ゲスト 木村章鼓
お申し込みはこちら: https://coubic.com/uminoie/150119

 

 世界に広がるドゥーラの輪〜ドゥーラからの国際便〜 

日時 : 2018 712 (木曜日)
9:00
より受付開始 終了12:00
場所都内
会費 : 4000
お茶&お菓子付き 先着 30

託児はありませんが、お子様連れ大歓迎です!

申し込み方法:
こちらまでメールをお願いします。
doulashipjapan(@)
gmail.com
(@)
@に変えて送ってください。お申し込みをしてくださった方に詳しい場所、スケジュール、お支払い方法など送ります。ドゥーラシップジャパンhp

https://www.facebook.com/events/2144434235785374/permalink/2144439339118197/

 

<7月12日(木)スケジュール>
9:00 開場
9:15 挨拶
9:20 木村章鼓 講演
10:00宇津澤紀子 講演
10:30 休憩
10:40 パネルディスカッション
11:40 挨拶
12:00 終了

~木村章鼓よりみなさまへメッセージ~
私自身の辿ってきたドゥーラジャーニーをお話します。女性が母親に移り変わっていく姿を見守るドゥーラ。それぞれのフェーズ移行がスムーズにいくよう継ぎ目を大事に寄り添うためのリチュアルもお伝えします

~宇津澤紀子よりみなさまへメッセージ~
狭いながらも私が知り合ったアメリカのドゥーラや助産師たちのこと、在米日本人の産後事情、などをお話ししながらマッサージやストレッチなど妊娠中から産後まで私が使っている手技をシェアしたいと思います

~質問大募集!~
木村と宇津澤に質問があれば事前にドゥーラシップのメールまでお寄せください。できる限り会場でお答えできるようにします。

 

 

 慶應義塾大学 公開講座 <患者学> ゲスト講演 木村章鼓 

日時 : 2018 87 (火曜日)
場所慶應義塾大学 信濃町キャンパス考養舎
参加費 無料
申し込み不要

いつもまとまりのない拙いブログを最後までお読み下さり本当にどうも有難うございます。ますますしあわせなお産がこの世に増えていきますように。

 

木村章鼓

ドゥーラ便り:しあわせバース@パリ始動!

すっかりご無沙汰していました、お元気ですか。初めて迎える5月のパリ。ものすごく蒸し暑いです~!

毎日たくさんのことがありすぎて、落ち着いて文章に直す時間がとれないような毎日ですが、パリのバースセンター(http://www.mdncalm.org/)を見学したり、フランスのドゥーラ協会Association Doulas De France(https://doulas.info/une-doula-cest-quoi/historique/)の会合に参加したり、スイスの国境にほど近い山岳地帯でドゥーラをしているJohannaさんや、フランス全土のドゥーラたちを導くパイオニアドゥーラのValerie Dupinさんにお話を伺ったりと情報収集に時間を費やしていました。

 

パリで先月開催された年に一度のDoula Day(https://doulas.info/journees/)では、フランスにレッドテントを紹介したClaude-SuzanneDidierjean-Jouveauさんの講演を聴いてきました。あまりに理解できず自分のフランス語のレベルを嘆きましたが、一緒に快く同行して下さったパリのソウルメイト、マリサさん(驚異のトリリンガル兼ヨーガマスター! https://marisayoga.weebly.com/ )の通訳のおかげで本当に助かりました。他にも、ハネムーンで日本を訪れた程に親日派のフランス人ドゥーラFanta Canotさんをはじめ、たくさんのドゥ―ラスピリッツの仲間と出会い、「パリにもドゥーラシスターたちがこんなにいたっー!!!」と胸が熱くなっています。妊婦さんに会うこともとても多く、これだけたくさんの女性がパリで産んでいるんだっ!と日々実感しています。

 

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<美しいものに出来るだけ多く触れると良い妊娠期。プレママグループでお散歩コースを楽しむことも>

 

今年2018年の1月からは『しあわせバース@パリ』というプレママ向けのグループも立ち上げました。音楽家でありセラピストの坂川奈緒子さんという素敵なママさんと一緒に開いています。彼女の中にすでに会の構想があったところに、タイミングよく私がロンドンからやってきたカタチです。意気投合して、「よっしゃ~始めますかー!」と、さっそく彼女が発起人となってフェースブックで非公開グループを立ち上げて下さり、苗木に水をあげるように大事に育ててくれています。そちらの非公開コミュニティー内でもいろいろやりとりしていますが、定例会に足を運んで下さる方々から、いろいろなケースの出産経験やバースプランを聴くたびに、こんなにたくさんのバラエティーがあるんだ。千差万別、やっぱりお産は興味深いものだと思います。

 

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<仲間達と持ち回りで開いていたPBMグループの定例会、 人数は10~25名と毎回大きなばらつきがある>

 

それから、人生、無駄はひとつもない。経験するものにはすべて意味があるなぁと感じるのは、このプレママグループ『しあわせバース@パリ』というのは、私がロンドンで参加していた活動Positive Birth Movement、以下PBMにとても近い形態だということです。これからプレママ向けの集まりを主催しようと思っている方にはぜひ参考にして頂きたいのですが、PBMはUKの妊婦さんの間で地道に人気を獲得してきたスタイルです。なんと世界中に‘リアルライフ’で450グループも存在します。フェースブックなどのSNSコミュニティーが450ではなく、本当にリアルライフでのPBMの集まりが450ですよ!中でもお膝元のイギリスは実施数が一番多く、聞きつけた妊婦さんが「私の住むエリアでは、どこにグループある?」と店舗探しをするような勢いでPBMの地域コミュニティーの番地をグーグルサーチする姿もちらほら。UKのママ達に広く受け入れられているこのムーブメント、助産師やドゥーラがオーガナイザ―であることがほとんどです。私もロンドンでは地元のイギリス人ドゥーラ3名と毎回持ち回りで自宅のラウンジを開放して開催していました。

 

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<薄暗いですが、こうやってお産の専門家が集まって勉強会もします。 SOISという名の会なのですが、一番多いのが日本人助産師さんです>

 

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<お産関係で女性たちがワイワイ集まると、一品持ち寄りで毎回これだけ豪華なランチになります>

 

なぜPositive Birth Movementが欧米でここまで浸透したのか。その秘密を解く鍵は、バーチャルではなく、実際にその場に出向いて、深い共感をもって相手の話を聴き合うという‘リアルライフ’独特のスタイルにある気がします。上から下に知識を伝授することが一般的な母親学級とも違い、参加した妊婦さん同士がピアな関係で終始シェアリング。そして出産体験者から体験談も聴ける。このあたりが、今のような時代、ネットからの情報で頭はいっぱいだけれど、一方で孤立しがちなネット世代の妊婦さんの求めているクオリティーとマッチしたのではないでしょうか。

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<英国では、‘ドゥーラとミッドワイフの協働’はポスター
なども刷られ、多くの施設でプロモートされていて、私たちの
PBMにも地元の国立病院の助産師がほぼ毎回出席してくれていた>

一般的な産前学級などでは、専門家からの情報は入手できても、そこで「自分もその場に参加した」という一体感は得られにくいケースが多い気がします。妊婦さんがお互いのお腹に触れられるような空気感。お互いを気にかけ、近い未来に互いのべビちゃんたちが顔を会わせられる日を夢みて、同じ目的に向って、似たような葛藤をシェアし続けていると、「大事な何かを分かち合えた」というチーム感は高まり、それが心細い妊婦さんにとってかけがえのないエンパワメントになります。さらには、先輩ママの出産体験談を聴いたり、素朴な疑問をグループに投げて、助産師やドゥーラに聞いてもらったり、答えてもらって安心することもできるのです。

 

大事なことなので、繰り返します。「私の気持ちをしっかり誰かに受け取ってもらえた」という満足感があればあるほど、その方が続けて通う動機が生まれます。そうやって、来たる日まで参加者同士が交わす励まし合いは、数値には表せないけれど、お産の日にとてつもない励みになります。

 

それでも初回から自分の気持ちをシェアしてくれる方はなかなかいないもので、最初のうちは主催者がリードをとる必要があるかもしれません。主催側のコアメンバーが繰り返し語る出産体験であってもいいと思います。その日の切り口で、母乳育児につながったり、パートナーシップの話におよんだりと、違う視点で語りが展開していくことは、どなたのお話を聴いていてもそうですが、ドゥーラの私が最も面白さを感じる部分です。人生って、お産って、本当に万華鏡のようだなぁ、と。

 

PBMをベースに私たちの『しあわせバース@パリ』も、メインスピーカーがいる時もあれば、ドキュメンタリーなどの映画の上映会をすることもあります。忙しいママたちで協力し合いながら細々と主催しているのですから、その時々で流動的であっていいのだと思います。

 

長くなってしまったので、辛いお産体験をした方がポジティブバースグループに参加される場合についてはまた次回、書きますね。

 

最後に2つ、私の夏の一時帰国に合わせて開かれるイベントのお知らせをさせて下さい。まずひとつめは、来月7月12日(木)9時~12時でお話会があります。アメリカから一時帰国する宇津澤紀子さんと一緒に登場させて頂きます。紀子さんはアロマ・マッサージセラピストであるばかりか、母乳育児支援やスピニングベイビー、レボゾなどを学ばれてきたドゥーラで、たくさんの貴重なお話が出てくるかと思います。なかなか実際にお目にかかれない方と会えるチャンス!と私も楽しみにしておりますので御都合がつくようでしたらぜひいらして下さい。詳細はドゥーラシップジャパンのページをご覧ください。

https://www.facebook.com/events/2144434235785374/

【 世界に広がるドゥーラの輪〜ドゥーラからの国際便〜 】

日時 : 2018年 7月12日 (木曜日)
9:00より受付開始 終了12:00
場所: 都内
会費 : 4000円
お茶&お菓子付き
先着 30名

託児はありませんが、お子様連れ大歓迎です!

申し込み方法:
こちらまでメールをお願いします。
doulashipjapan(@)gmail.com
(@)を@に変えて送ってください。

お申し込みをしてくださった方に詳しい場所、スケジュール、お支払い方法など送ります。

 

そしてもうひとつのお知らせは、2018年7月30日(月)の夕方から、横浜の『Umiのいえ』の主催する『お産道場』でゲストとしてお話させて頂きます。‘人として大切にされるお産とは’がテーマとなります。主催者の斎藤麻紀子さんは、とってもチャーミング&パワフルなバースアクティビストです。最初に叱咤激励して頂いて以来、思い返せば15年。こんなにも至らないところの多い私を常に励まして下さり、インスピレーションを与えてくれる本当に素晴らしい先輩ママです。こちらもぜひたくさんの方に聴きに来て頂けたら嬉しいです。麻紀子さんは御夫婦共にセラピストで、手作り感いっぱいのサイトも素晴らしいので、お時間ある時にどうぞ覗いてみてください♪

 

長いブログになりました。拙い文章をお読み下さり、いつも本当に有難うございます!

パリの第一弾

イルミネーションの美しいパリの12月。振り返るとタンクトップにサンダルで過ごした夏の終わりからわずか数カ月というのにこの寒さ。厳寒の1-2月は一体どんなものでしょう。初めて味わうパリの寒さにへこたれず、前向きに満喫していきたいです。

 

 

さて、ロンドンからパリに移り住んだ最初の数カ月間は、思えば本当にいろいろなことがありました。生まれて初めて急性膀胱炎になってしまったり、インターネット工事の予約待ちで、約2カ月ほど新居がネット未接続だったりと大変なことが多いながらも、同時に、あまりに新生活は新鮮で面白く、また、めまぐるしい程の忙しさのなか、‘こんなに楽しくていいの?’という戸惑いも手伝い、文章にまとめられずにブログ更新できないほどだったんです。

 

具体的には、子どもたちの新学期が9月に始まり、新しいそれぞれの学校に馴染もうと‘今’の‘ここ’を味わっているうちに、次のイベントがドカーンとおとずれ、それを噛みしめていると、また新たな驚愕があり、、、と、ひとことで言い表すなら出会いに満ちた、あるいは(ヘミングウェイの言葉を借りるなら)‘移動祝祭日’のような、もしくは、人生のご褒美を頂いているようなパリの秋でした。

 

もし定期的にアップしていたら、ついに赤ワインに目覚めました!とか、老舗のチョコレート屋めぐりをしてきましたとか、オペラ座でバレエを観て軽く食事をして帰宅したら真夜中になっていました、とか勢いにまかせて書いていたかもしれません。でも、、、それでは、何を食べたかとか、何を観たかの報告書になってしまっていたかもしれません。

 

人生のご褒美タイムを味わいたい、でも、世界中の授乳中のママさん御免なさい!!!という気持ちもどこかにありました。産前産中産後ドゥーラのくせにフランスに来て以来、毎日何をやっているんだっ、と今の自分を責める気持ちが出てくることも正直多かったのです。

 

それにしても、今日まで本当によくやってきたよなぁという自分へのねぎらいの言葉が素直に湧いてきます。折しも夫の勤続25周年で、ささやかな社内セレモニーがあったばかりで感慨深くなっているところなのですが(感傷的な書き方ですみません!)、この四半世紀を振り返ってみると、学生時代から海外に出ていた自分としては、外国生活に対する免疫のあるつもりでしたが、思いもよらぬ時期に思いもよらぬ国へ夫が転勤になり、家族で移動する度に、新しい土地で根を張ろうと頑張り続けることは無茶苦茶大変なことだと感じてきました。

 

だからといって、「自分はほんの一時の異邦人だから」と割り切った姿勢でいると、あまり面白みがありません。だからこそ、アラビア語やロシア語、マレーシア語など土地の言語に挑戦して現地の方とコミュニケーションしたいと自分なりにやってきたつもりなんです。でも、土地を去ると覚えた単語は完全に忘れてしまいました(笑)!実際にどの国での生活も毎日が気づきを与えてくれる素晴らしい体験でした。ただ、いつも最終的には別れが待っている生活。「一期一会」を胸に刻み、引っ越しのたび、お世話になった皆さんに感謝の気持ちをお伝えしてその国を去ると、こころをこめて描いてきた砂絵曼陀羅が一気に掻き消えてしまうような寂しさを感じていました。

 

そんな中でも、第一子の妊娠により医療人類学という学問と出会い、さらには、エジンバラ→サハリン→ヒューストン→ロンドンと移動しながら一貫して継続してきたバースドゥーラの地道な活動が軌道に乗ったことは余計に嬉しく感じられたものです。

 

そこにきて今回の転勤です。再び英語の通じない国に行くなんて!と、引っ越しの直前はUKのブレクジットの是非を問う選挙が開票されたばかりで気分も落ち込みがちでした。ところが今、フランスに住むようになって、本当に、自分でもまったく不可解なほど日々の生活を愛おしく思いながらパリ時間を大事に味わっています。

 

25年前に初めて来て以来、訪れたことは何回もあったのですが、フランスに住むことにはなぜか抵抗がありました。夫は仏系企業勤務だというのに、長期出張に同行してパリにしばらく滞在した時にも、いつか住みたいとはまったく思いませんでした。

 

しつこいですが、それが今では、自分でも驚くほど楽しんでいるのですから、人生は本当に不思議なものです!唯一言えることがあるなら、起きるすべてのことにはタイミングがあって、私にとっては、今がフランスを楽しむ人生の季節だということでしょうか。この人生のとある季節に「ありがとう」と純粋な気持ちで言えたらずいぶん楽になるものです。

 

20年くらい前に、母方の祖母が「ツキを呼ぶ魔法の言葉」(著:五日市剛)という小冊子を私にプレゼントしてくれたことがありました。いつでもどんな時でも「ありがとう」の気持ちを忘れずに、ということがその本では繰り返されていました。私がどんな国へ行っても、どんなに大変でも、曲がりなりにもこれまで楽しんで生きてこられたのは、両親、親族、友人たちはもとより、孫を常に思いやるその祖母のあたたかい想いのおかげ、また、彼女がくれた本のメッセージに励まされてきたからだと感じます。

 

日々「ありがとう!」と繰り返しているだけで実際にパリでも起きていることとして、何があるかなぁと挙げてみると、夏に引っ越し、まだ家も決まらずホテルに仮住まい中だというのに、連日、偶然が次々に重なって、パリで生きる素敵な日本人マダムたちにカフェやレストラン、公園、図書館などで次々と出会っています。信じられないような経歴をお持ちの魅力的な彼女達からバトンリレーのように生きた知恵が言葉を超えてどんどん伝わってきました。

 

いい遊覧船のナイトツアーがあるからとセーヌの河下りに誘って下さった淳子さん。エールフランス航空で何十年も世界の空を飛んでいた彼女が、夜の闇に浮かびあがるアンバリッドや、ルーブルを見上げながら、「何年住んでいても、パリを知った気にはならない。いつも新鮮な驚きを与えてくれるの」と語る時、私は自分が長年パリを知った気になっていたことをとても恥ずかしく思いました。同時に、その瞬間に自分の中のスイッチが入って、「もっと謙虚になって、今のパリを存分に楽しもう!」というモードに切り替わりました。長年のパリジェンヌ生活で彼女たちの培ってきたデータベースは、凄かった。ガイドブックにも載っていない、インターネットでも探しだせないような、口コミベースの貴重な情報や数珠のストーリーの宝庫です。

 

そんな新しい地元の友人、学校のママ友、同じ会社の奥さん達、そしてフランス人パリジェンヌたちにサポートされながら、また素敵に触発されながら、発見と喜びと反省に満ち、日本語でもフランス語でも英語でも、「ありがとう!」と「ごめんなさい!」(「メルシー!」と「デゾレ~!」)を交互に連発しているようなせわしない毎日です。

 

そのほか、週3で通っているフランス語教室(週2回文法で、最近になって会話も週1で始めました)はもちろんのこと、美術館巡り、パティスリー教室にワインの会、そして史学博士と共にパリの路を歩いて、それぞれの地区の歴史を知っていくウォーキングツアー。

 

連日たくさんの魅惑的なお誘いがあり、これらに参加するだけで平日、子どもたちのいない時間帯は毎日必ずなにか予定が入っていることになります。さらに子育て支援関係のお友達の活動を手伝ったり、子どもたちのそれぞれの小中学校での季節のイベントやPTA活動など、メトロの定期券を片手にパリ中あっちこっち走りまわっています。

 

なかでも、出産ドゥ―ラとして一番楽しんでいるのは毎週月曜にモンパルナスで行われているガスケアプローチのエクササイズのグループレッスンです。実際に続けてみて、とても効果のあるエクササイズだと思いますので紹介させてください。

 

日本人の助産師さん、シャラン山内由紀さんのお便りからそのまま拝借すると、フランスのペリネケアの第一人者であるベルナデット・ド・ガスケ医師は、「ペリネの保護は重力や腹圧との戦いである」と述べ、包括的な身体アプローチである「姿勢と呼吸からのド・ガスケアプローチ(通称ガスケアプローチ)」を開発、発展させてきました。身体に備わったバイオメカニクスを尊重した姿勢と呼吸からのアプローチは、ペリネ(骨盤底筋)のリハビリテーションという特殊な分野だけでなく、周産期(妊娠、出産、産褥)やスポーツ、日常生活の誤った動作などの弊害からペリネや腰背部を保護する方法として様々な分野に適応されています。正しく的確な姿勢をとることで生理的な呼吸となり、全身の筋緊張のバランスを整えたり、消化や循環といった身体全体の生理的機能を助長していくことのできるのがガスケアプローチの特徴なのだそうです。

 

この数ヶ月間、私もシャランさんの講座のおかげで、骨盤とぺリネを常に意識した生活を送るうちに、自分の呼吸法が確実に変わってきた気がしています。息をはき始めるタイミングで、しっかりとぺリネに意識を向け、ぺリネを労わる術が少しずつ身についてきたのかもしれません。

 

一緒に参加しているお仲間は、通い始めたとたん便通がいきなりよくなったと皆さん心底驚いています。心底、というのは、初回受けた日から便通がよくなり、かといって、ガスケセンターで行ったことといえば、とても楽な運動であった。そんなソフトエクササイズで、ここまでしっかり効果をあげてくれるものがこの世にあったんですねー!という驚きからのようです。

 

ぎっくり腰、五十肩や慢性の腰痛持ちの方、痔でお悩みの方もいらしてました。便漏れで苦しむ実母のためにガスケをパリで学んで日本に持ち帰りたい!と真剣にシャランさんの話を聴く女性もいました。妊婦さんに特化した産前クラスの他、産後のママさん(赤ちゃん同伴可)のためのグループレッスンもあり、月曜日のガスケセンターは日本人人口かなり高し、です。

 

ガスケアプローチと出会って心身が整ったという講師のシャランさんは、全身のラインが猫のようにしなやかで、女性としてとても魅力的なスタイルです。先日、「今の自分が一番居心地がよく、肉体的にも一番美しいと感じます」とおっしゃっているのを聴き、また、軽やかに前で手本を見せて下さるお姿に見惚れながら、大きく頷きました。本当に大学生を筆頭に4人のお子さんをもつママとは思えない軽やかな動きです。余談ですが、お声のほうは、シャンソンを歌って頂きたくなるほどのハスキーボイスです。最初、共通の知人3名(全員助産師さん!)からの紹介で、我が家に来て頂いた時、彼女の地声とは知らずに、「喉にくる風邪は辛いですよね」と失礼なことを言ってしまったというエピソードまであります(笑)。来週はクリスマスランチをご一緒するので歌って頂きたい!なんてひそかに思っています。

 

ということで、まだまだパリは新米の私からお勧めするのはためらわれるのですが、せっかくパリにいらしたら、そして月曜にモンパルナスにもしいらしたら、簡単な骨盤ケアはいかがでしょう。ガスケアプローチのエクササイズクラスは事前連絡無しの飛び入り参加でも大丈夫なのでその日の朝の気分で決められます。詳しい日程や場所などについてはシャランさんのブログをご覧ください(http://yyneko.at.webry.info/201708/article_2.html)。

 

最後になりますが、参加しているドゥーラシップジャパンのメンバーが企画して、ミニイベントが開かれます。私の年末年始の一時帰国に合わせて、東京ウィメンズプラザでのおしゃべり会です。こちらの短い東京滞在に合わせて下さり感謝です。このブログを読んで下さっている多くの方が海外にいらっしゃるかと思いますが、どうぞご友人など興味のありそうな方にもお知らせして下さいませ。

 

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以下、告知内容のコピペです

 

みなさま、

ドゥーラシップジャパン(https://www.doulashipjapan.com/)の萩野文です。

この冬、ドゥーラシップジャパンのメンバーである “旅するドゥーラ 木村章鼓” が現在お住まいのフランスから日本へちょっこし一時帰国します。

ドゥーラとして世界の様々な国でお産の付き添いやバースクラス、産後のサポートなどをしながら妊産婦さんを支え続けてきた経験豊富な章鼓さん。

そんな彼女を私たちだけで独り占めしたらもったいない!

なので、そんな章鼓さんとおしゃべりする会を設けます♥
章鼓さんのドゥーラとしての経験や想い、それから、皆さんの近況、想いを語り合えたらいいなって思っています。

日 時:2018年1月5日(金) 15:00~17:00
場 所:東京ウィメンズプラザ(予定)
会 費:1,000~1,500円程度(会場により前後するかもしれません)
その他:ウィメンズプラザが小さいお部屋なので、人数によって場所が変更になるかもしれません。お子様連れ大歓迎ですっ。

おおよその人数を把握したいので、参加をご希望の方は25日くらいまでに萩野宛(hagino298@gmail.com)にメールを頂けると嬉しいです。それ以降でもご都合のついた方はご連絡下さいませ!

 

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いつも拙いブログをお読みくださり本当にどうも有難うございます。

 

どうぞ素敵なクリスマス、年始年末をお迎え下さい!

 

木村章鼓

ドゥーラのリードで安産セレモニー

~出産について家族で揃い、あらためて感謝を伝える~

 

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あと1週間でイギリスからパリへと引っ越すドゥーラの木村章鼓です。ユーロスターでたったの数時間とはいえ、学校も変わり、言葉も変わるわけですから、ここ数カ月落ち着かない日々が続いていました。転校のための書類は思ったよりもいろいろと面倒(健康診断なども含めて煩雑)でしたが、ようやく無事に子どもたちの新しい学校が決まりました。住む場所はまだ決まっていませんっ。パリでの最初のひと月は仮住まいをしながらの家探し。よいご縁がありますように~と願っているところです。

 

さて、今月はこれまでお世話してきた方々とのお別れをしてきました。今日は2年ほど前に立ち合ったバルト三国出身のママ、Iさんに招待され、ご実家のお母様と一緒につくった美味しいご飯を頂いてきました。旬の野菜をふんだんに使ったIさん親子の手料理に大感動です。よちよち歩くようになったMちゃんをあやしながら、チキンと野菜のオーブン焼き、セロリとナッツのサラダ、ヨーグルトソースをからめたキュウリの和え物とビーツと呼ばれる真っ赤な砂糖大根のスープを頂きました。デザートには木イチゴやクランベリーを漬けたコンポートに焼きたてのリンゴケーキ。そして食後は、お産の時の懐かしの写真を見ながら楽しくハーブティーを飲みました。お母様の入れて下さる温かいお茶を味わいながら、『ああこれはお産の前に行ったセレモニー以来だなぁ』と私はタイムトリップしていました。

 

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我が家から歩いて数分のエノテカに集まり プロセッコで地元ママたちと最後の乾杯をしてきましたー。暑いからますます美味しいです~!

 

毎回、私はお産の前に自宅訪問をしますが、その時には可能な限り、妊婦さんの実のお母様や姉妹、義理のお母様にも来て頂くようにしています。時代が変わり、男性が積極的にお産に係わってくれるようになってきたとはいえ、やはり実際のお産や産後の生活では、女性たち同士の助け合いが大切だと感じるからです。お産の前にドゥーラのような第三者を通して、いつもとは異なるセッティングで特別な場を設けることで、今一度、お産へ向けて家族が一致団結しやすくなります。これは本当にその通りだと実感します。

 

ただの内輪の集まりではなく、『安産セレモニーするよ~』と、少しだけ特別感をもって妊婦さんの自宅に集まって頂き、家族が輪になって互いを見つめあうと、いつもは当たり前に思えてなかなか言葉で伝えにくかったことでも、不思議と溢れてくるのです。また、妊婦さんの中でなにか言いにくいリクエストがあれば、事前に私の方で聴きとっておきますので、あらかじめ予防線を張ることもできます。たとえば、生まれてくる赤ちゃんの世話について、また、母乳育児の方針についてあれこれ周囲から言われたくない、とか、陣痛中は敏感になっているから出来る限りそっとしておいて欲しいなどといった妊婦さんの願いは、その場を利用してご本人からご家族に伝えられるように最大限応援します。もちろん、妊婦さんが切り出すタイミングを逃してしまった時などは私がソフトに介入させて頂き、お産前に言いそびれたことがないか配慮します。本当にひとこと、こころからの『ありがとう』でもいい。お互いに感謝の気持ちを伝えあったり、これまでの道のりを振り返ってねぎらったり、これからも宜しくお願いします、と手を握りあったり。ほんのささいなことかもしれませんが、一番近い女性たちからの応援や励ましを妊婦さんは何よりも一番必要としています。

 

これまで、安産セレモニーに参加した妊婦さんがはらはらと涙を流し、ひと泣きした後にはすっきりとした表情に切りかわるのを見届けてきました。きっと、妊婦さんの表情がゆるみ、ああ自分はもっと甘えてもいいんだ、困ったら迷わず頼ってもいいんだ、という気持ちになれた時、お産に対する意識のギアが大きくチェンジするのでしょう。

 

そして、その時に感じた安らぎや、喜びが深く大きいほど、妊婦さんは自信を持って陣痛と向き合い、立派に産んでいくことができます。サポートにまわるご家族にとっても、正直な気持ちを表現できる場は大事です。娘や姉妹のお産に対する不安や恐怖感もご家族側から出てきたら、私が仲立ちとなって、妊婦さんを守りながら、ひとつひとつ聴きとって差し上げることが大事だと感じます。

 

冒頭のIさんとそのお母様も、『安産セレモニーをしましょう』、とこちらが提案した時に、普段はあまり仲の良くないという妹さんを招いて3人で座りました。招かれた妹さんも実はその時に妊娠初期でした。自分のお産に役立つならとIさんのお産に自分も妹として立ち会いたいと希望していました。

 

客観的にみて、明らかに妹さんに対して過剰に気を使っているIさんのことが私は気になったので、お産が始まってから産後の養生期に妹さんとどうつきあっていくか、いくつかのパターンを想定して、Iさんといろいろと対応を講じた結果、妹さんが立ち合いつつも、Iさんは精神的に万全の状態でお産に臨むことができました。Iさん夫婦が主役となり、助産師さんに支えられ、ドゥーラも黒子として控えており、妹にも見守られ、ご本人の心から満足のいく理想のお産となりました。

 

私や助産師さんと穏やかなホームウォーターバースを体験したIさん。その一部始終を見た妹さんは、お産への見方が180度変わりました。そして半年後のご自身のお産に私を雇われました。いいお産は自然と伝播しますね。今は核家族化や都市化の影響などで、子産み子育てに関する世代間の知恵の継承が減りつつあります。でも、自分の家族、姉妹のお産体験が終始心穏やかな、本人の納得感の高い出産体験であると、家族はとても前向きな影響を受けます。産後に、姉妹愛、家族愛がぐっと高まります。

 

同時に赦しも起きますので、家族全体で抱えていた何かが無理なく癒されていくように感じるケースもとても多いです。私が立ち合った方ではないのですが、ある方がこんな話をしてくれました。養子縁組で幼いころに親戚に引き取られ、産みの母を長らく許せなかったそうですが、産後には赦すどころか、感謝の気持ちがとめどなく溢れてきたと話していました。

 

その理由は、その方のお産は微弱陣痛で3日がかりでした。その間、助産師さんが親身になって話を聞いてくれたり、マッサージやお灸をしてくれたり、ご飯を作ってくれたり、本当にたくさん支えてもらって乗り越えていったということです。難産だったにもかかわらず、最終的には願っていた通りのお産になった時に、『自分はこんなにたくさんの方々の助けを得ている。みなさんのサポートやエネルギーを頂いて生かされている。命を生みだすって素晴らしいこと!』と思えたのだそうです。

 

すると、自分のことも、尊い命だと深く思えるようになりました。幼いころ養女に出されたという過去の一点にこだわってきた自分が恥ずかしくなり、命をこの世に産みだしてくれた産みの母に対して、伝えても伝えきれないほどの感謝の念が湧いてきました。同時に、安全に今日まで育ててきてくれた義理の両親への感謝で胸が満たされ、自分の過去をリセットすると同時に子育てのよいスタートを切ることができたのだそうです。

 

お産って、本当にすごいなぁと思います。冒頭のIさんにしても、これまでとはまったく違う自分に生まれ変われたと話しています。それはどんな自分なの?と尋ねたところ、『もっと強い自分、ゆるぎない自分』と答えました。私はそれを聞いて、母親ひとりひとりが、もっと強く、ゆるぎない自分になれる可能性を秘めたお産の奥深さとその神秘に、膝まづきたい気持ちになりました。

 

こうやって語り部としてブログなどを通して発信することで、少しでも多くの産むかもしれない方が、より自分に合った産み方を見定めたり、赤ちゃんを産みだす瞬間も自分らしくいるために今出来ることを考えるきっかけにして頂けたら幸いです。

 

お読みくださりありがとうございました。

ミシェル・オダン氏との再会とエフラスペース

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すっかり春めいてきましたね、お元気ですか。私は年明けから3月まで、日々吸収することばかりで、それらをまとめてアウトプットする余裕のない生活のままノンストップでドゥーラをしていました~。ハタと気づいたらもうお雛様の季節なんですね。忙しかったのは、2月末締め切りの原稿を抱えていたことも大きかったです。その原稿は東京医学社の「周産期医学」(http://www.tokyo-igakusha.co.jp/f/b/index/zc01/6/oa_table/b_z_top.html)という医学専門誌の「なぜ今メンタルヘルスなのか?」で特集となり2017年の5月号(第47巻5月号)に掲載されます。すみません発売もされていないのに宣伝してしまいましたっ。

さて、昨晩は、現在ロンドンで受講しているフランス人産科医ミシェル・オダン氏の連続12週間の講座でした。昨日は、Pre-labour caesareans and stress deprivationという題目ということで、自然な陣痛が始まらないうちに行う帝王切開によるリスクとストレスについて学んできました。特に、通常であれば赤ちゃんの血中に認められるメラトニン(ダークネスホルモン、暗闇のホルモンと呼ばれることもあるとか)について。自然な陣痛の始まらないうちに行う帝王切開によって生まれた赤ちゃんの血中にはメラトニンが皆無か、ほとんど検出できないことについて解説していたのが印象に残ります。

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メラトニン(melatonin)とは、動物、植物、微生物それぞれの生物学的な機能における体内時計(サーカディアン・リズム)として働くホルモン。さらには、強力な抗酸化物質として、私たちのDNAやミトコンドリアを保護しています。ミシェル・オダン氏は、このメラトニンのプロテクションという特性を挙げ、核DNAが守られていない状況で赤ちゃんのからだ、特に‘脳’に対してどのような影響があるかについて、お産に関わるすべての人がもっと関心を払う必要があると語りました。北欧での最近の研究データからご自身の1983年に発表されたランセット(The Lancet:医学誌)のデータまで、いろいろなEMB(科学的根拠)も引き合いに出しながら、陣痛促進剤使用のリスクと、帝王切開を行うタイミングの重要性について最後まで繰り返し強調されていました。

昨晩のオダン氏のレクチャーをひと言でまとめるなら、いかなる促進剤も使わないで、自然に陣痛が始まるのを‘待つ’ということが、ヒトにとって、とてつもなく重大だということに尽きます。若手助産師さんたちばかりではなく、私と同じくらいの世代(40代)の助産師さんたちまで一生懸命にノートにオダン氏の貴重な言葉を書きつけている姿に私は、未来への希望を感じました。

IMG_5297レクチャー後の懇親の場でオダンご夫妻とお話をする機会に恵まれました。親日派で知られるオダン氏に、「ロンドンにもたくさんの日本人助産師さんが働いていらっしゃり、ドゥーラやヒプノセラピストや様々な代替医療に関わる仲間たちも一緒に月一で集まっているんですよ」と伝えたところ喜んでいらっしゃいました。また、日本で本格的に立ち上がっているドゥーラの活動母体、ドゥーラシップ ジャパン(doula ship Japan) https://japandoulaassociation.wordpress.com/ に向けてもこのような熱いメッセージを頂きました。

「発足おめでとう。日本にも必要なケアだと思います。お産はシャイホルモン、恥ずかしがり屋なホルモンの分泌を促すことが最も大事だということを大切にして、そこの部分を助ける(産む当人のプライバシーがしっかりと尊重されている時空間の創出に寄与する)役割を果たしていってください」

あたたかい氏の言葉に感動しました。。。いつお目にかかっても圧倒的な母子へのパッションと包容力があり、講演後のひとりひとりへのハグにもキスにもあたたかい氏の愛を感じます。私も今ちょっと、しばらくお風呂に入りたくない気分です(笑)。余談ですが、日本に対してずっと気になっていることがあるのだそうです。およそ1年半前、2015年の8月、順天堂大学医療看護学部母性看護・助産学のウィメンズヘルス看護学、プライマルヘルス研究会主催の第3回プライマルヘルス学会来日の直前にオダン氏は自宅で転倒されてしまい脳震とうを起こし、五反田で開かれた学会にお越しになれなかったことがありました。受け入れ側の皆さんにラストミニッツでご迷惑をかけてしまった、そのことをずっと申し訳なく思っている。。。とおっしゃっていました。

余談になりますが、実は私もその時のプライマルヘルス学会は、オダン氏は急に来日がかなわなくなったものの出席していました。東京での時間は私にとってほんのわずかな一時帰国中の時間です。氏の講演会ならスコットランド時代に看護大学などでも聞いたことがあったので、絶対に東京でオダン氏のレクチャーを聴かなくては!という訳ではなかったのですが、この時はオダン氏の講演だけでなく、ドゥーラ研究者の岸利江子さんが日本に紹介したドキュメンタリー映画「Microbirth」の上映もプログラムに入っていました。字幕スーパーを少しお手伝いさせて頂いた私としては、日本の医療者の方々、お産関係者の方々がどのようにこの映画を観て下さるのかとても興味があり参加したのです。大田康江氏によるとても興味深いパワーポイントも用意されており、映画、マイクロバースのほうも皆様真剣に観て下さり、ああやってたまたま一時帰国と重なり出席させて頂けて本当に良かった!と思っています。

昨晩、オダン氏には、ぜひお元気なうちにまた日本へ来て頂きたいですっ!と最後にお伝えしておきました。お元気そうですが今は80代後半ということで講演されることも少なくなってきたと聞きます。もしイギリス在住の方がいらしたら、4月11日までの毎週火曜日の7時からですのでいかがでしょうか。オダン氏の連続講座の詳細は会場となっているエフラスペースのサイトでご覧になって下さい。参加者全体のおよそ半数が助産師さん、残りはドゥーラや妊婦さんやバースアクティビストたちという感じです。
http://www.effraspace.co.uk/

ちなみに、2017年4月18日はThe highways to transcendence という題目でお話されますので、個人的に特にこの回は聞き逃したくないと思っております。「宇宙的、時間的な超越への高速道路(近道)」とでも言ったらよいのでしょうか。すでにオダン氏の講演は何回か聴いており、氏の本はほぼ読破しているので、何を語られるのか今から容易に想像はつくのですが、‘超越’について、ライブで伺えるのはとても貴重な体験です。今の時代、肉声で、生身の存在から受けとるダイレクトな何かって、言葉や数値では表せなくても十分に価値のある、本当に得がたいものになりましたから。

しかもこのエフラスペース、手作り感あふれるステキな空間なのです。ゆったりくつろげるソファーがあってカウンターバーがあって、ハーブティーやワインも飲める。でも一番のスペシャル感は、何といってもセレクトされたお産関係の本が買えるという点です。近所にプリンター・アンド・マーティンという名前(http://www.pinterandmartin.com/)の出版社があって、素晴らしい出産関係の本をせっせと出版しているのですが、エフラスペースはその出版社の展示スペースのようなものです。ほんとうに、‘せっせ’と思わず表現したくなるようなクラフトメーキングな書籍ばかりを出しているインディペンデント系の出版社です。

例えば、薄い冊子の「Why ○ is matter?」シリーズ。なぜお産には○が必要なの?と、○の部分には、それぞれの刊の内容に応じて、‘doula’とか‘midwife’とか‘spirituality’といった言葉が入ります。どの刊もさらっと読めて、分かりやすくお産におけるそれぞれの○の重要性を理解できる構成となっています。他にも、シーラ・キッツィンガーの伝記(http://www.pinterandmartin.com/a-passion-for-birth.html)などは厚さ7-8センチのハードカバーで、こちらはかなり読みでがあります。私も15年近く前にこのシーラ・キッツィンガ―(http://www.web-reborn.com/interview/kitzinger.html)というイギリス人社会人類学者について知り、頭をガーンと殴られたような衝撃がありましたが、彼女が亡くなられた今、この本の価値はとても大きいと思います。

エフラスペースでは、常時様々なマタニティー関係の講座や、ヨーガ、産後ママの子育てグループのほか、看護学、助産学の教授による学術発表レベルの講演なども単発で行っていますし、選び抜かれた良質な書籍も手に入るのですから、ロンドンでこれから妊娠するかもしれない、産むかもしれないという方は要チェックスポットです。住宅地の真ん中に建つ、一見ひなびた地区公民館のような風情ですが、ビクトリア線のBrixton駅から私の足で7-8分です(グーグルには徒歩12分と表示されているけど)。バス37番なら徒歩1分に停留所があるので意外とアクセスはいいと思います。イメージとしては横浜のUmiのいえ(http://www.uminoie.org/p/umi.html)と似ているかもしれません。ロンドンのエフラスペースに、横浜のUmiのいえ、どちらも貴重な子産み子育てのリソースセンターですので、こういう空間が世界中にもっとたくさん増えていくようにとの願いを込めて紹介させて頂きました。

ドゥーラがいざなうお産のスピリチュアリティー

一日ワークショップ<お産のスピリチュアリティー>では、ドゥーラ仲間の二コラさんのリードで、 さまざまな国籍、職業、立場の女性たちが集まりました。美味しいランチを頂きながらピアグループ として意見交換できたのが本当によかったと思います。お互いがお互いのリソースになれるんですね♪

一日ワークショップ<お産のスピリチュアリティー>では、ドゥーラ仲間の二コラさんのリードで、
さまざまな国籍、職業、立場の女性たちが集まりました。美味しいランチを頂きながらピアグループ
として意見交換できたのが本当によかったと思います。お互いがお互いのリソースになれるんですね♪

今朝は、ちょうど半年前にお産にbirth doulaとして立ち会い、産後はpostnatal doulaとして一ヶ月間ほど通っていたイタリア人家族に会ってきました。ほんの4-5カ月ぶりだというのに、赤ちゃんの成長には目覚ましいものがあります。月齢相応のむっちりとした太ももとふっくらとしたほっぺた。目は大きく見開かれ、絶えずモノの動きを追っています。神々しい新生児期とはまた別のステージに入り、周囲との関わりの中で生きる姿に逞しさを感じます。

 

お産に立ち会ったためでしょうか、産後に通うからでしょうか。どんなに久しぶりであっても、今までお世話させて頂いたお宅のどの赤ちゃんも不思議なほど愚図らずに長い間気持ちよさそうに私の腕に抱かれてくれます。こちらも、べろべろ舐められても、おっぱいを吐き出されても、まったく気になりません。開業助産師さんも同じかと思いますが、継続して過ごす時間が長い分、「ドゥーラはケアした家族に対して情が深くなる」というのは間違いなく本当のことだと思います。

 

さて、そんなこんなでドゥーラ業でバタバタしているうちに、もう12月なんてウソでしょう、という感じで、あっという間に年の瀬なんですね。皆さまも最近の時間の流れはあまりに速いと感じませんか。私などは速過ぎてまったく追いつけないという感じです。

 

こんな時間の過ぎ去り方でこの先もいいのだろうか、、、。来年こそはもう少し味わいながらゆったりとした時間を過ごしたい、などと思わずふと立ち止りたくなる今の季節ならではの心境です。

 

そしてついに、私が忙しくしているうちに、本当に久しぶりに娘が風邪をひいてしまいました。そういえば前日に「喉がごろごろする」と言っていたっけ。。。あの時に早めに何かできなかっただろうか。。。と苦い気持ちが広がります。熱も出ず学校も休むことなく、結局2日ほどで治ったのですが、いつも元気印の娘なだけに辛そうでした。

 

レモンを絞ってはちみつドリンク、あつい卵酒(日本酒が無いので白ワインで)、ホメオパシー、足湯、背中のマッサージといろいろ試したけど、どうやら一番効いたのはラーメンだったようです。ラーメン食べたーい!とねだられ時計を見るとまだ16時半。ま、今日は早めの夕食でいいやと、私と息子の分も一緒に3袋の麺をゆでたのに、ほぼ2人分を娘がたいらげました。

 

マクロファージを増やすと言われる内側がヌルヌルした日本の長ネギは無いけれど、代わりに大味な西洋ネギ(リーク)を3本丸々削ぎ切りにしてごま油でいため、にんにくたっぷりのラー油でからめたものを卵入りのアツアツのスープ&麺の上にてんこ盛りにしました。絶えず日本食に飢えている子供たちは見ていてなんだか哀れになるくらい、それはもう大喜びで飛びついて、あっという間に完食しました。

 

ラーメンを食べたのを境に、「おや?」と私がびっくりするほど娘の顔色は良くなっていきました。鼻は通り、声にも元気が戻り、もう辛そうではありません。その後、ベッドで本を読み始めた娘はそのまま深い眠りに落ち、翌朝にはケロッとして登校していきました。

 

美味しいものが何でも手に入る日本での便利な生活では皆さん考えられないかもしれませんが、海外に住んでいると、なんてことない日本の家庭料理はごちそうになります。我が家の場合、日本からスーツケースで運ぶラーメンはとっておきのもので、特別な日のディナー。

 

で、時には今回のように、とっておきの風邪薬にもなるんですね。食材から常備薬へ、ラーメンの格がまだ一段とあがった木村家の食卓です。大げさな話、あらためてラーメン、というか、にゅうめんでも、かけうどんであっても、汁物の麺類の素晴らしさを思い知りました。

 

つわりのひどかったある妊婦さんが、実家のお母さんの作るきしめんなら、どんなに具だくさんでもしっかり食べられた、と言っていたのも今なら納得です。もちろん私はそこには、お母様の娘を労わる愛情が最高の‘ダシ’として効いているからだと感じます。

 

さて、先月は、「お産のスピリチュアリティー」という一日ワークショップを開きました。参加者10名ほどで、数名のかわいい赤ちゃんも特別参加でした。それぞれに想いを惜しげなくシェアして下さったヒプノセラピストやドゥーラ、アロマセラピストや助産師さんたちに心からの感謝です。

 

皆さんの持ってきて下さった一品がこれまたどれも美味しくて(食べることに集中していたら写真を撮り忘れました!)、お腹が満足した午後は気持ちがさらにほぐれた感じでした。そのおかげか、後半のセッションの最後のほうにはファシリテーターの二コラさんのリードで、母から娘への想いについて想いをめぐらすシーンとなると、自然と涙が溢れてきてしまい、みんなでティッシューの箱を回しあって、私などは鼻をぶんぶんかみまくっていました。

 

お産関係の方は、皆さんそれぞれに行く路は異なっても、具体的なアプローチは違っても、深く大きな使命感や、時には個人には重荷とも呼べるような責任感を感じていらっしゃると思います。そんな時に、今一度、自分たちが一人ではない、お互いに支えあって存在していることを思い出し、気持ちが緩み、癒されることって、とてつもなく大事だなと痛感しました。

 

自分を大切にしているか、十分に労わっているか、根っこへの水やりは、毎日ではなくても、時々に立ち止まって、足りているかを確認する必要があると思います。

 

私は、「お産のスピリチュありティー」のワークショップで、自分自身が満たされて、周囲に支えられて在ることの安定感を体感として感じました。それは、ひとえに、来て下さった受講者の皆さまのおかげです。

 

大好きな映画、「ガイアシンフォニー」シリーズを撮った龍村仁監督が、正確な言葉は覚えていませんが、完成した映画がそこに在るのではなくて、観客がそれを観るときに瞬時瞬時に成就しつつあるのが僕の目指している作品作りですとおっしゃっていました。都内の上映会の会場でほんの数分間かけてくださったお言葉ですが、その意味が今になって本当によく分かります。

 

「今日観た映画は明日のあなたの物語になっていくんですよ」、というメッセージに支えられて、来年もさらにいい年にしていけたらと思っています。

 

2017年も素晴らしいお産がますます増えていきますように!

 

*写真のワークショップの英文のお知らせも以下合わせて載せておきます。

Developing Spirituality around Birth

WYSWEWOMEN workshop at Rakuda Club
A few years ago Nicola was invited by the Italian doulas summer school to run a day for them with the remit spirituality around birth – it was an incredible day she enjoyed so much that she wanted to hang with birthkeepers talking spirituality more often!

This workshop is suitable for anyone who works with parents around birth – we have had midwives, doulas, breastfeeding counsellors, antenatal teachers and more….we also have a fair amount of parents who attend to broaden the scope of their own practice during this mind-blowing time and also to learn about how other cultures view this wonderful event.

During our time together we will cover…..

How are you developing your spirituality around being a birth keeper?
What are your traditions around birthing?
How to support families developing their understanding of the Divine around birth.
Motherblessings and fatherblessings.
Traditional spiritual understandings of birth and motherhood to improve for better outcome.

We will bless each other as part of this day – onward with our journey as birthkeepers!
Here’s more about Nicola Goodall
http://nicolathebirthkeeper.com/about/

Here’s more about WYSEWOMEN here
http://wysewomentalk.com/wysewomen-workshops/