パリの第一弾

イルミネーションの美しいパリの12月。振り返るとタンクトップにサンダルで過ごした夏の終わりからわずか数カ月というのにこの寒さ。厳寒の1-2月は一体どんなものでしょう。初めて味わうパリの寒さにへこたれず、前向きに満喫していきたいです。

 

 

さて、ロンドンからパリに移り住んだ最初の数カ月間は、思えば本当にいろいろなことがありました。生まれて初めて急性膀胱炎になってしまったり、インターネット工事の予約待ちで、約2カ月ほど新居がネット未接続だったりと大変なことが多いながらも、同時に、あまりに新生活は新鮮で面白く、また、めまぐるしい程の忙しさのなか、‘こんなに楽しくていいの?’という戸惑いも手伝い、文章にまとめられずにブログ更新できないほどだったんです。

 

具体的には、子どもたちの新学期が9月に始まり、新しいそれぞれの学校に馴染もうと‘今’の‘ここ’を味わっているうちに、次のイベントがドカーンとおとずれ、それを噛みしめていると、また新たな驚愕があり、、、と、ひとことで言い表すなら出会いに満ちた、あるいは(ヘミングウェイの言葉を借りるなら)‘移動祝祭日’のような、もしくは、人生のご褒美を頂いているようなパリの秋でした。

 

もし定期的にアップしていたら、ついに赤ワインに目覚めました!とか、老舗のチョコレート屋めぐりをしてきましたとか、オペラ座でバレエを観て軽く食事をして帰宅したら真夜中になっていました、とか勢いにまかせて書いていたかもしれません。でも、、、それでは、何を食べたかとか、何を観たかの報告書になってしまっていたかもしれません。

 

人生のご褒美タイムを味わいたい、でも、世界中の授乳中のママさん御免なさい!!!という気持ちもどこかにありました。産前産中産後ドゥーラのくせにフランスに来て以来、毎日何をやっているんだっ、と今の自分を責める気持ちが出てくることも正直多かったのです。

 

それにしても、今日まで本当によくやってきたよなぁという自分へのねぎらいの言葉が素直に湧いてきます。折しも夫の勤続25周年で、ささやかな社内セレモニーがあったばかりで感慨深くなっているところなのですが(感傷的な書き方ですみません!)、この四半世紀を振り返ってみると、学生時代から海外に出ていた自分としては、外国生活に対する免疫のあるつもりでしたが、思いもよらぬ時期に思いもよらぬ国へ夫が転勤になり、家族で移動する度に、新しい土地で根を張ろうと頑張り続けることは無茶苦茶大変なことだと感じてきました。

 

だからといって、「自分はほんの一時の異邦人だから」と割り切った姿勢でいると、あまり面白みがありません。だからこそ、アラビア語やロシア語、マレーシア語など土地の言語に挑戦して現地の方とコミュニケーションしたいと自分なりにやってきたつもりなんです。でも、土地を去ると覚えた単語は完全に忘れてしまいました(笑)!実際にどの国での生活も毎日が気づきを与えてくれる素晴らしい体験でした。ただ、いつも最終的には別れが待っている生活。「一期一会」を胸に刻み、引っ越しのたび、お世話になった皆さんに感謝の気持ちをお伝えしてその国を去ると、こころをこめて描いてきた砂絵曼陀羅が一気に掻き消えてしまうような寂しさを感じていました。

 

そんな中でも、第一子の妊娠により医療人類学という学問と出会い、さらには、エジンバラ→サハリン→ヒューストン→ロンドンと移動しながら一貫して継続してきたバースドゥーラの地道な活動が軌道に乗ったことは余計に嬉しく感じられたものです。

 

そこにきて今回の転勤です。再び英語の通じない国に行くなんて!と、引っ越しの直前はUKのブレクジットの是非を問う選挙が開票されたばかりで気分も落ち込みがちでした。ところが今、フランスに住むようになって、本当に、自分でもまったく不可解なほど日々の生活を愛おしく思いながらパリ時間を大事に味わっています。

 

25年前に初めて来て以来、訪れたことは何回もあったのですが、フランスに住むことにはなぜか抵抗がありました。夫は仏系企業勤務だというのに、長期出張に同行してパリにしばらく滞在した時にも、いつか住みたいとはまったく思いませんでした。

 

しつこいですが、それが今では、自分でも驚くほど楽しんでいるのですから、人生は本当に不思議なものです!唯一言えることがあるなら、起きるすべてのことにはタイミングがあって、私にとっては、今がフランスを楽しむ人生の季節だということでしょうか。この人生のとある季節に「ありがとう」と純粋な気持ちで言えたらずいぶん楽になるものです。

 

20年くらい前に、母方の祖母が「ツキを呼ぶ魔法の言葉」(著:五日市剛)という小冊子を私にプレゼントしてくれたことがありました。いつでもどんな時でも「ありがとう」の気持ちを忘れずに、ということがその本では繰り返されていました。私がどんな国へ行っても、どんなに大変でも、曲がりなりにもこれまで楽しんで生きてこられたのは、両親、親族、友人たちはもとより、孫を常に思いやるその祖母のあたたかい想いのおかげ、また、彼女がくれた本のメッセージに励まされてきたからだと感じます。

 

日々「ありがとう!」と繰り返しているだけで実際にパリでも起きていることとして、何があるかなぁと挙げてみると、夏に引っ越し、まだ家も決まらずホテルに仮住まい中だというのに、連日、偶然が次々に重なって、パリで生きる素敵な日本人マダムたちにカフェやレストラン、公園、図書館などで次々と出会っています。信じられないような経歴をお持ちの魅力的な彼女達からバトンリレーのように生きた知恵が言葉を超えてどんどん伝わってきました。

 

いい遊覧船のナイトツアーがあるからとセーヌの河下りに誘って下さった淳子さん。エールフランス航空で何十年も世界の空を飛んでいた彼女が、夜の闇に浮かびあがるアンバリッドや、ルーブルを見上げながら、「何年住んでいても、パリを知った気にはならない。いつも新鮮な驚きを与えてくれるの」と語る時、私は自分が長年パリを知った気になっていたことをとても恥ずかしく思いました。同時に、その瞬間に自分の中のスイッチが入って、「もっと謙虚になって、今のパリを存分に楽しもう!」というモードに切り替わりました。長年のパリジェンヌ生活で彼女たちの培ってきたデータベースは、凄かった。ガイドブックにも載っていない、インターネットでも探しだせないような、口コミベースの貴重な情報や数珠のストーリーの宝庫です。

 

そんな新しい地元の友人、学校のママ友、同じ会社の奥さん達、そしてフランス人パリジェンヌたちにサポートされながら、また素敵に触発されながら、発見と喜びと反省に満ち、日本語でもフランス語でも英語でも、「ありがとう!」と「ごめんなさい!」(「メルシー!」と「デゾレ~!」)を交互に連発しているようなせわしない毎日です。

 

そのほか、週3で通っているフランス語教室(週2回文法で、最近になって会話も週1で始めました)はもちろんのこと、美術館巡り、パティスリー教室にワインの会、そして史学博士と共にパリの路を歩いて、それぞれの地区の歴史を知っていくウォーキングツアー。

 

連日たくさんの魅惑的なお誘いがあり、これらに参加するだけで平日、子どもたちのいない時間帯は毎日必ずなにか予定が入っていることになります。さらに子育て支援関係のお友達の活動を手伝ったり、子どもたちのそれぞれの小中学校での季節のイベントやPTA活動など、メトロの定期券を片手にパリ中あっちこっち走りまわっています。

 

なかでも、出産ドゥ―ラとして一番楽しんでいるのは毎週月曜にモンパルナスで行われているガスケアプローチのエクササイズのグループレッスンです。実際に続けてみて、とても効果のあるエクササイズだと思いますので紹介させてください。

 

日本人の助産師さん、シャラン山内由紀さんのお便りからそのまま拝借すると、フランスのペリネケアの第一人者であるベルナデット・ド・ガスケ医師は、「ペリネの保護は重力や腹圧との戦いである」と述べ、包括的な身体アプローチである「姿勢と呼吸からのド・ガスケアプローチ(通称ガスケアプローチ)」を開発、発展させてきました。身体に備わったバイオメカニクスを尊重した姿勢と呼吸からのアプローチは、ペリネ(骨盤底筋)のリハビリテーションという特殊な分野だけでなく、周産期(妊娠、出産、産褥)やスポーツ、日常生活の誤った動作などの弊害からペリネや腰背部を保護する方法として様々な分野に適応されています。正しく的確な姿勢をとることで生理的な呼吸となり、全身の筋緊張のバランスを整えたり、消化や循環といった身体全体の生理的機能を助長していくことのできるのがガスケアプローチの特徴なのだそうです。

 

この数ヶ月間、私もシャランさんの講座のおかげで、骨盤とぺリネを常に意識した生活を送るうちに、自分の呼吸法が確実に変わってきた気がしています。息をはき始めるタイミングで、しっかりとぺリネに意識を向け、ぺリネを労わる術が少しずつ身についてきたのかもしれません。

 

一緒に参加しているお仲間は、通い始めたとたん便通がいきなりよくなったと皆さん心底驚いています。心底、というのは、初回受けた日から便通がよくなり、かといって、ガスケセンターで行ったことといえば、とても楽な運動であった。そんなソフトエクササイズで、ここまでしっかり効果をあげてくれるものがこの世にあったんですねー!という驚きからのようです。

 

ぎっくり腰、五十肩や慢性の腰痛持ちの方、痔でお悩みの方もいらしてました。便漏れで苦しむ実母のためにガスケをパリで学んで日本に持ち帰りたい!と真剣にシャランさんの話を聴く女性もいました。妊婦さんに特化した産前クラスの他、産後のママさん(赤ちゃん同伴可)のためのグループレッスンもあり、月曜日のガスケセンターは日本人人口かなり高し、です。

 

ガスケアプローチと出会って心身が整ったという講師のシャランさんは、全身のラインが猫のようにしなやかで、女性としてとても魅力的なスタイルです。先日、「今の自分が一番居心地がよく、肉体的にも一番美しいと感じます」とおっしゃっているのを聴き、また、軽やかに前で手本を見せて下さるお姿に見惚れながら、大きく頷きました。本当に大学生を筆頭に4人のお子さんをもつママとは思えない軽やかな動きです。余談ですが、お声のほうは、シャンソンを歌って頂きたくなるほどのハスキーボイスです。最初、共通の知人3名(全員助産師さん!)からの紹介で、我が家に来て頂いた時、彼女の地声とは知らずに、「喉にくる風邪は辛いですよね」と失礼なことを言ってしまったというエピソードまであります(笑)。来週はクリスマスランチをご一緒するので歌って頂きたい!なんてひそかに思っています。

 

ということで、まだまだパリは新米の私からお勧めするのはためらわれるのですが、せっかくパリにいらしたら、そして月曜にモンパルナスにもしいらしたら、簡単な骨盤ケアはいかがでしょう。ガスケアプローチのエクササイズクラスは事前連絡無しの飛び入り参加でも大丈夫なのでその日の朝の気分で決められます。詳しい日程や場所などについてはシャランさんのブログをご覧ください(http://yyneko.at.webry.info/201708/article_2.html)。

 

最後になりますが、参加しているドゥーラシップジャパンのメンバーが企画して、ミニイベントが開かれます。私の年末年始の一時帰国に合わせて、東京ウィメンズプラザでのおしゃべり会です。こちらの短い東京滞在に合わせて下さり感謝です。このブログを読んで下さっている多くの方が海外にいらっしゃるかと思いますが、どうぞご友人など興味のありそうな方にもお知らせして下さいませ。

 

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以下、告知内容のコピペです

 

みなさま、

ドゥーラシップジャパン(https://www.doulashipjapan.com/)の萩野文です。

この冬、ドゥーラシップジャパンのメンバーである “旅するドゥーラ 木村章鼓” が現在お住まいのフランスから日本へちょっこし一時帰国します。

ドゥーラとして世界の様々な国でお産の付き添いやバースクラス、産後のサポートなどをしながら妊産婦さんを支え続けてきた経験豊富な章鼓さん。

そんな彼女を私たちだけで独り占めしたらもったいない!

なので、そんな章鼓さんとおしゃべりする会を設けます♥
章鼓さんのドゥーラとしての経験や想い、それから、皆さんの近況、想いを語り合えたらいいなって思っています。

日 時:2018年1月5日(金) 15:00~17:00
場 所:東京ウィメンズプラザ(予定)
会 費:1,000~1,500円程度(会場により前後するかもしれません)
その他:ウィメンズプラザが小さいお部屋なので、人数によって場所が変更になるかもしれません。お子様連れ大歓迎ですっ。

おおよその人数を把握したいので、参加をご希望の方は25日くらいまでに萩野宛(hagino298@gmail.com)にメールを頂けると嬉しいです。それ以降でもご都合のついた方はご連絡下さいませ!

 

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いつも拙いブログをお読みくださり本当にどうも有難うございます。

 

どうぞ素敵なクリスマス、年始年末をお迎え下さい!

 

木村章鼓

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